倶留尊山は日本の300名山に数えられ、その西麓に広がる曽爾高原は自然豊かな地域です。
曽爾高原は広大なススキの草原で知られており、春先には山焼きが実施され、青々とした景観が広がります。
夏を迎えると草原はさらに生い茂り、秋にはススキが太陽の光を浴びて金色や銀色に輝きます。
この美しい光景は毎年多くの訪問者を惹きつけています。
さらに、この高原の中腹には湿原が広がり、「お亀伝説」で知られるお亀池もあります。
ここでは湿原特有の珍しい植物を観察することができます。
かつては地域内の家々でススキを屋根材として利用していましたが、近年はトタンや瓦の屋根材が普及し、その使用が減少しました。そのため、昭和44年には杉の植林が進められました。
しかし、地元の人々は曽爾高原の美しいススキの草原を守るために努力を重ね、この地域を奈良県の保護下に置くことに成功しました。
そして、多年草であるススキの育成を促進し、他の植物の成長を抑制するために毎年3月に山焼きが行われています。
これにより、ススキは栄養を得て健全に育っています。
曽爾高原ススキ2024見頃の時期いつからいつまで?現在の様子も
曽爾高原のススキは毎年、9月下旬から11月下旬にかけて最も美しい時期を迎えます。
その間、ススキの色彩は次のように変化します。
9月中旬から10月初旬にかけては穂が薄紫色に見え、10月の始めから11月の始めにかけては穂が銀色を帯びます。そして、11月10日から月末にかけては、葉が枯れて穂が黄金色に輝きます。
10月下旬、曽爾高原のススキは見頃を迎え、その魅力的な姿を披露しています。
この年も11月末まで、金色や銀色に輝く美しいススキの景色を楽しむことができるでしょう。
曽爾高原ススキ2024曽爾高原山灯りのライトアップ
曽爾高原ではススキの最も美しい時期に合わせて、近くの「お亀池」を中心に、約900メートルの範囲に200個の灯篭が配置される「曽爾高原山灯り」というイベントが開催されます。このイベントでは、灯篭が作り出す幻想的な風景が楽しめます。
2024年の「曽爾高原山灯り」は、残念ながら中止となりましたが、最後の開催は2021年で、以下の日程で行われていました。
開催日:2021年9月11日(土)~11月23日(火・祝) 夕暮れ~21時
この期間、灯篭の柔らかな光に照らされたススキは、日中とは異なる雰囲気を醸し出し、訪れる人々に別の美しさを提供します。
駐車場からは、日が落ちると周囲が暗くなり、気温が急激に下がるため、暗闇を歩く際には懐中電灯と温かい服装が必須です。
また、ススキの最も美しい時期は特に週末に多くの訪問者で賑わいますが、日没前に帰宅する人が多いため、19時頃に訪れれば、人混みを避けてゆったりと灯りを楽しむことが可能です。
ただし、公共交通を利用する場合は注意が必要です。バスの最終便が15時半頃に出るため、公共交通機関では「曽爾高原山灯り」を見ることは難しいです。
曽爾高原ススキ2024アクセス
【場所】
曽爾高原
〒633-1202 奈良県宇陀郡曽爾村太良路
【電車】
近鉄 名張駅前[山粕西行き]⇒太良路下車 徒歩約50分
近鉄 名張駅前[曽爾高原行き]⇒曽爾高原下車 徒歩約20分
【車】
西名阪自動車道針ICから約50分
名阪国道針I.Cから車で50分(宇陀市榛原区経由)
名阪国道上野I.Cから車で60分(県道名張曽爾81号線経由)
公共交通を利用して曽爾高原を訪れる予定の方に朗報です!
すすきの季節に合わせて近鉄から発売される「曽根高原すすき散策きっぷ」は大変お得なセット券です。
このきっぷには、近鉄電車とバスの乗車券が含まれており、通常価格よりも電車で約30%、バスで約20%割引されるため、経済的にも利点が大きいです。
この散策きっぷには、乗車駅から名張駅までの往復割引乗車券(特急券は別)、名張駅から曽爾高原への三重交通直通バス往復割引乗車券、曽爾高原温泉「お亀の湯」の入浴割引券、さらにファームガーデンでのビールやドリンク引換券がセットになっています。
「曽爾高原散策きっぷ」は、近鉄電車の主要駅の窓口での購入が可能です。
販売期間は2024年9月2日(月)から11月30日(土)まで、有効期間は2024年10月2日(水)から12月1日(日)の間で、きっぷ購入時に指定した乗車開始日から2日間です。
ただし、往復乗車券は乗車開始後の一回のみ有効で、乗車開始日が11月30日の場合、バス券、お亀の湯の入浴料割引券、および飲食や買い物の引換券はその日に限り有効です。
詳細は近鉄の公式サイトで確認してください。
曽爾高原はススキの美しさが人を引きつけるため、特に天気の良い週末には混雑が避けられません。そのため、現地には朝9時までに到着することを推奨します。
曽爾高原ススキ2024駐車場
曽爾高原では、黄金色に輝く夕暮れ時のススキを見るために多くの人が訪れます。駐車は可能な台数が約150台で、有料(800円/1日)です。
この景色を目的に訪れる人々が多いため、駐車場では車を停めるのに1~2時間待つことも珍しくありません。
また、渋滞が特にひどい時は、曽爾高原ファームガーデンの駐車場を利用し、そこから徒歩で30分程度歩いて高原まで向かう方が時間的に効率的かもしれません。
曽爾高原ススキ2024見どころと楽しみ方
奈良県と三重県の県境にある曽爾高原は、関西地方で最も美しいススキの名所として知られています。
大阪から車で約1時間50分、名古屋からは約2時間40分の距離に位置するこの高原は、日本百名山の一つである倶留尊山から亀山にかけての西麓に広がっており、約40ヘクタールの山の斜面がススキで一面に覆われています。
曽爾高原のススキはその見頃が非常に長く、初めは薄紫色から始まり、次第に白い穂へと変わり、最終的には鮮やかな黄金色に染まるまでの約2ヶ月間、その変化を楽しむことができます。
ススキが最も美しい季節には、日中は太陽の光を受けて銀色に輝く草原が広がり、夕暮れ時には夕陽に照らされて黄金色に変わる様子が見られます。これにより、昼と夕方では異なる魅力的なススキの景色を体験することが可能です。
広大な草原に広がるススキは、高さが大人ほどもあり、その中を歩く小道はススキの迷宮のようです。まるでおとぎ話の世界に足を踏み入れたかのような、神秘的な感覚を味わうことができます。
風に揺れるススキが銀色や黄金色に輝く光景は、見る者を飽きさせることなく心を癒してくれます。
曽爾高原では、亀山峠へ続く約20分のハイキングコースが家族や初心者にもおすすめです。散策中には、すり鉢状の高原の景色や、「お亀伝説」が残るお亀池を眺めることができます。
散策の後は、「曽爾高原ファームガーデン」内の日帰り温泉施設「お亀の湯」でくつろぎます。ナトリウムー炭酸水素塩温泉として知られるこの湯は、肌に良いと評判で、美人の湯としても親しまれています。
また、「お亀の湯」からは鎧岳や兜岳を望むことができる露天風呂があり、ススキの絶景を楽しんだ後に最適なリラクゼーションスポットとしておすすめです。
曽爾高原ススキ2024まとめ
倶留尊山(標高1038メートル)は、日本の著名な300名山のひとつです。
この山と標高849メートルの亀山を繋ぐ地域の西側に広がるのが曽爾高原で、美しい自然に恵まれています。
曽爾高原は、広大なススキの草原が広がり、毎年3月頃には伝統的な山焼きが行われ、草原が新しい緑に生まれ変わります。
春から夏にかけては、一面の草原がまるで青い絨毯を敷いたように見え、訪れる人々に清涼感を提供します。
秋の季節には、ススキの穂が日の光を受けて金色や銀色に輝き、その美しさは多くの観光客を惹きつけます。
また、高原の中腹部に位置するお亀池では、「お亀伝説」にちなんだ物語が語り継がれており、その周辺では湿原特有の希少な植物を観察することができます。