輪島市名舟町は、「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」の発祥の地として知られています。
かつてこの地に侵攻してきた上杉謙信の軍を、村人が不思議な面をつけて太鼓の音で撃退した伝説が、御陣乗太鼓の起源とされています。
村の人々はこの奇跡を舳倉(へぐら)島にある奥津比咩神社の神徳に感謝し、名舟大祭の際にはこの神社で太鼓を奉納するようになりました。
祭りのハイライトは初日の夜9時ごろから始まります。
奥津比咩神社の遥拝所である白山神社には、各地区からキリコが集まります。
神社が急な崖に建っているため、急勾配の参道をキリコを担ぐ人々が進むさまは、見る者に勇気と感動を与えます。
キリコが一堂に会すると、神輿と共に名舟海岸に向かい、船に乗せられた神輿が舳倉島の奥津比咩神社の祭神を迎えに行きます。
海岸に戻った神輿の前で御陣乗太鼓が奉納され、その力強い太鼓の音と恐ろしい面の姿は観る者に強い印象を与えます。
午後11時頃からは、神輿とキリコが町内を巡行し、その後、お仮屋でキリコの壮大な舞が繰り広げられます。
祭りの二日目、本祭りでは、御陣乗太鼓が山車に乗り、神輿を先導しながら道を清めます。
名舟海岸に神輿が到着すると、再び船に乗せられて海に立つ鳥居まで祭神を送ります。
そして、海岸での山車からの太鼓の奉納打ちが祭りのクライマックスを迎えます。
この荒々しい音色は、夏の空の下で特別な魅力を放ち、祭りの余韻を長く残します。
名舟大祭2024いつ?時間や場所など基本情報
「名舟大祭」とは、舳倉島に位置する奥津比咩神社の御霊をお迎えするために開催される祭典です。
この祭りが行われる輪島市名舟町は、御陣乗太鼓の発祥の地として知られており、この太鼓演奏が祭りのハイライトの一つとなっています。
通常、この祭典は7月31日と8月1日に開催されますが、2024年には1月1日の地震のために、神事のみが実施される特別な形となりました。
現時点で、公式サイトを含む情報源による2024年の祭りの詳細は更新されていません。
通常の年の名舟大祭の流れについて説明します。
7月31日の宵祭りは、21:00にキリコ宿元からの出発で幕を開けます。
22:00には、集まったキリコが神社境内から出発し、御神輿渡御と御陣乗太鼓の奉納演奏が行われた後、再び御神輿渡御とキリコの町内渡御が実施され、0:00に御神輿は仮屋に到着し、初日の行事が終了します。
翌日、8月1日の本祭では、14:00から神楽の奉上が始まります。
その後、御神輿が会場を渡り、再び御陣乗太鼓の奉納演奏があり、15:20には御神輿が社殿に還御します。
15:40からは創作神楽舞「奥津かぐや姫」の奉納があり、16:20には祭りの全行程が終了します。
【開催日程】
7月31日・8月1日
【時間】
7月31日【宵祭り】 21時00分 ~ 翌0時30分頃
8月1日【本祭り】 14:00 ~ 15:30頃
※2024年は神事のみ
名舟大祭の歴史や御陣乗太鼓など見どころ
名舟大祭で特に注目すべきは、輪島市伝統の御陣乗太鼓の演奏です。
闇を背に不気味な面を被った演奏者たちが放つ太鼓の音は、その迫力で観る者を圧倒します!
この太鼓の起源は、天正4年(1576年)にさかのぼります。
当時、上杉謙信が能登を攻めた際、現地の勢力が奇妙な面をつけて太鼓を鳴らし、上杉軍を撃退したと言われています。
使用される面には、翁面、でか面、夜叉面、ダルマ面、男幽面、女幽面の6種類があり、これを6人の演奏者が叩きます。
かつては地元で生まれた長男だけがこの太鼓を叩く資格を持っていましたが、現在では「長男」という制約はなくなりました。
しかし、地元出身者に限られるという伝統は今も守られています。
御陣乗太鼓は県指定の無形文化財に認定されており、その価値は計り知れません。
また、御陣乗太鼓の演奏前にはキリコの集まりも見逃せません。
キリコとは、伝統的な切子灯籠を指し、能登半島ではこれが灯籠神事として広く行われています。
白山神社は奥津比咩神社の遥拝所として知られ、急な崖に建つため、その急坂を担ぎ上げる様子は見る者に強い印象を与えます。
4本の大きなキリコと1本の子供用キリコが揃うと、神輿と共に名舟海岸へと進みます。
そこから神輿は海上へと渡り、舳倉島の奥津比咩神社の祭神を迎えるための海上渡御が始まります。
海を渡る神輿の光景は、他では見られない貴重なもので、見る価値があります。
名舟大祭2024宿泊するなら
ゆっくりと名舟大祭を楽しみたいと言うことでしたら宿泊するのにオススメのホテルを紹介します。
【ねぶた温泉 海游 能登の庄】
〒928-0005 石川県輪島市大野町 ねぶた温泉
館内は全て畳で覆われ、漆工芸品や和紙の装飾品が隅々まで配置されており、どこからでも日本海の景色を眺めることができます。
旬の食材を用いた料理は輪島塗の器で提供され、その美しさが一層引き立ちます。
また、美肌に効果があるとされる温泉も、訪れる人々を魅了してやみません。
このお宿は、心地よいおもてなしで満たされています。
【輪島温泉 八汐】
〒928-0073 石川県輪島市鳳至町袖ケ浜1
この地は、日本海の新鮮な味覚と豊かな自然景観を存分に楽しむことができる、まさに贅沢な場所です。
温泉からの眺めは特に魅力的で、夜には輪島港の漁船から上がる漁火を、朝には陽光を受ける港町の風景を眺めることができます。
これらの景色は訪れる人々の旅の疲れを和らげ、心を癒します。
名舟大祭2024アクセス
【場所】
〒928-0254 石川県輪島市名舟町
【電車】
・金沢から輪島特急バスで約2時間30分「輪島駅前」下車
→路線バス乗り換え「輪島駅前」から町野線約20分「名舟」下車
【車】
・金沢から約2時間20分(のと里山海道「のと三井IC」下車→国道249号線)
・のと三井ICから約30分
名舟大祭2024駐車場
名舟港に無料駐車場があります。
【名舟港】
名舟大祭の読み方
念のために確認しておきます。
名舟大祭の読み方は、
なふねたいさい
となります。
名舟大祭2024まとめ
名舟町で開催される祭りのハイライトは、伝統的な御陣乗(ごじんじょ)太鼓の演奏です。
この御陣乗太鼓の起源は、天正4年(1576年)に上杉謙信が能登地方を侵攻した際に遡ります。
村の古老たちが夜襲を仕掛け、陣太鼓を激しく打ち鳴らし、奇怪な装いで上杉軍を撃退したとされています。
祭りの太鼓打ちは、夜叉や幽霊の面をかぶり、力強く太鼓を打つ光景が印象的で、その迫力は見る者を圧倒します。
祭りの初日の夜(22:00から)は、キリコが集まる中、神輿が船に乗せられて海上に立つ鳥居へと向かい、海上で神事が行われます。
神輿が陸上に戻った後は、白山神社の下に設けられた特設ステージで、御陣乗太鼓の壮絶な奉納演奏が繰り広げられます。
2日目の午後(14:00から)も、神輿による海上での神事と御陣乗太鼓の奉納演奏がメインイベントとして行われます。